11月29日に本校8F記念ホールにて冬期きもの大学を開催いたしました。
午前の講義では本校着装主任講師の寺屋先生による帯結びの実演講義を行い、女性用の帯結び2点と男性の袴の着装について解説を交えながらポイントを説明されました。
講義の最後には聴講した生徒さん達にも舞台に登壇して帯結びにチャレンジしていただきました。
昼食休憩をはさみ、午後の講義は東京国立博物館学芸研究部調査研究課工芸室室長で文学博士の小山弓弦葉先生に「特別展「きもの」に見る小袖ときものの歴史」と題した講義を行っていただきました。
小山先生には安土桃山時代からの小袖のデザインについて時代を追って説明をしていただきました。また今年東京国立博物館で実際に展示された小袖の画像などたくさんの映像資料をご持参いただき、丁寧に解説をしていただきました。
講義では染めや装飾の新しい技法によって流行が生まれたこと、小袖の文様が腰、裾と下の方に移ることで帯幅が広がり帯結びが工夫されたりするなど変化がおきたこと、禁令などの呉服屋の危機が何度かあったがそのたびに工夫で生き残ったこと、遊女はアイドルであり、ファッションリーダーだったこと、京友禅の工程など多彩な角度から小袖の魅力について講義をしていただきました。
また講義の中できものを着る機会が減ることによって染め用の刷毛(はけ)を作る職人さんが減っていることなど、きものの周辺に関係する現状などについてもお話していただき、きものに携わる者として、日常からきものを着ていきましょうという呼びかけもしていただきました。
小山先生、貴重なご講義をありがとうございました。