2学期もあと3週間となりました。年内最後の大きな行事である「冬期きもの大学」を12月2日(土)に開催いたしました。
冬期きもの大学も夏期きもの大学と同様にしばらくコロナの影響で休止していましたので久しぶりの開催です。
午前中は本校の着装主任教授の寺屋美代子先生による帯結びの講義を行いました。
今回は訪問着などに用いる「舞千鳥」に加えて、振袖用に新たに創作した帯結び「花芙蓉」と「花舞い」の2種類の帯結びのプロセスを解説を交えて説明していただきました。
帯結びの実演は本校の着装の先生方が二人一組になって担当いたしました。
3つの帯結びについて一通りプロセスの解説が終わったところで今度は受講生の人達が交代で実際に舞台の上で指導を受けながら結んでみました。
舞台の上は大賑わいです。
昼食休憩を挟んで午後からは秋田公立美術大学理事長・学校長、東京芸術大学名誉教授で彫刻家の北郷悟先生にお越しいただき、「人と重力・美・着物の空間」というタイトルで講演をしていただきました。
北郷先生には彫刻家としての観点から伝統芸術である「きもの」の美の世界観と彫刻と言う立体芸術に接点が見つけられるのかをテーマに「彫刻とは」「生命の本質を探る」「美のポイントは」「誰に伝えるのか」などについて豊富な資料を交えて講義をしていただきました。
また北郷先生は海外のファッションには後ろ姿を意識したデザインや絵画はないが、日本には浮世絵の「見返り美人」のように背中に世界観があること、きものの「襟足」には空間の美があり、彫刻の装飾的な立体やオブジェにも通ずるものがあるなど興味深いお話もしていただきました。
本校の生徒さん達も熱心に北郷先生の講義を聴講していました。
そう言えば「着装」も平面的な「きもの」や「帯」を立体的に形作っていくという意味ではデザインやアイデアを立体化する彫刻に似ていますね。
本校の生徒さん達はすでにお馴染みとなっていますが、本校エントランスにあるエレベーター横にある清水とき学校長の胸像は北郷先生の作品です。
先生からは最後にもうすぐ卒業する専門課程の生徒さん達に向けて「自分の言葉で考えて、伝える」ことが大切だとメッセージをいただきました。
北郷先生ご多忙のところ貴重なご講義をありがとうございました。
次回のきもの大学は来年6月開催の予定です。