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お七帯ってご存じですか?(生徒の作品・きもの技術科)
(学園からのお知らせ)

更新日:2020年12月25日
カテゴリ: 生徒の作品

本日は今年最後の生徒さんの作品紹介です。最後を締めくくっていただくのは先日ご紹介した女物単衣を仕立てた生徒さんのもう一つの作品です。

皆様「お七帯」ってご存じですか?踊りをされていらっしゃる方はピンとくるかもしれませんね。

月岡芳年・松竹梅湯嶋(湯島)掛額(部分)

 

このように裏が黒繻子で、表の両端と手先・タレ先にも黒繻子が出ている四寸〜六寸(約15センチ〜約23センチ)程度の幅のある昼夜帯のことをお七帯と言います。

さて、今回の生徒さんの仕立てたお七帯です。

 

裏が黒繻子ではありませんが、お七帯の定義に合った仕立てになっています。

このように両端に裏地が出る形になるのがただの昼夜帯と異なります。上の絵のように縁を全て表にまわしているものもあります。

 

 

お七帯は現代では踊りの衣装や舞台衣装として用いられています。

実はこの帯、先日ご紹介したこちらの作品の共生地で作ったものです。

 

丈を長くとったり袖を継いでいるため、一反ではなく二反分の生地を使って仕立てましたが、その際に帯の表地がとれる程度の余り布ができますので、それを利用して仕立てたものです。

 

帯結びにも文庫結び系の「お七結び」という帯結びもあります。お七結びは江戸時代の商家の娘などがしていた帯結びの一緒で、「関東だらり」とも言います。

悲運の少女、お七の物語をモデルにした演目が舞台や踊りで大流行し、お七を演じる役者がこの帯結びをしたことからお七結びと呼ばれるようになったそうです。帯の両端の色が結んだ時にアクセントになるのでしょうね。

 

3学期も作品の制作はまだまだ続きます。また新しい作品が仕立て上がったら当ブログでご紹介していきたいと思いますので、お楽しみに。