2学期も今週末で終了です。今年は夏休みが短かった分、生徒さん達もようやくゆっくり休めるという気持ちなのではないでしょうか。
本日はきもの技術科1年生の作品をご紹介します。女性用の単衣2点と男性用の単衣2点です。
ではまず最初の作品です。
女物ですが、女形(おやま)の男性が着ることができるように、かなり丈のある単衣になっています。
袖も生地を継いでのばしています。つなぎ目がわかりますか?
衿は黒地の別布で掛衿にしています。掛衿は江戸時代に町人女性等の間で流行った衿で、黒い生地を使うのはおしゃれのための他、汚れを防いだり、目立たなくするためとも言われています。
背中心の背伏せもつけています。背伏せとは単衣着物の背縫いの縫代を背伏せ布と呼ばれる布で包み縫って始末する和裁の技法のことです。背伏せは上質のものや薄物に用い、表布にかかる負担を軽減し、縫い目がほころびるのを防ぐための補強の役割をはたすものです。
続いてこちらも女物です。最初の作品と見比べていただくと、寸法が違うことがお分かりいただけると思います。
やはり和裁は数を縫うことで上達するものですね。どんどん精度が上がっています。
さて続いては男物の単衣です。まずは紬の単衣です。
こちらも掛衿をつけています。
こちらも袖布を足しています。この継ぎ目をいかに違和感なく自然につながっているように仕立てられるか、というところが腕の見せ所ですね。
こちらの作品も背伏せ布をつけています。先程の作品と背伏せの付け方が違うのがお分かりいただけますでしょうか。
続いて最後の作品です。
こちらも色鮮やかな長着ですね。
きものは洋服と異なり布幅が決まっていますので、工夫をしながらその人に合わせた寸法に仕立てていきます。仕立て方を見ると先人の和裁の知恵が垣間見えて興味深いですね。
明日はきもの芸術科1年の作品をご紹介する予定です。お楽しみに!