前回に引き続き、今回も生徒さん達の作品をご紹介いたします。今回は今年の4月に入学したきもの芸術科1年生の生徒さん達の制作した作品をご紹介いたします。
ではまず最初の作品です。1年生が基礎練習が終わって最初に手掛けるものと言えば「浴衣」です。この学校に入って初めて縫った浴衣がこちらです。
実はこのきもの、7月に本校で行った七夕浴衣ショーの時にお披露目したものです。ショーで着た時はこのような感じでした。
一針一針丁寧に縫っていることが分かりますね。
闘竜はかつて大相撲で活躍した力士の名前で、ご家族の方が後援会に入っていた関係でこの浴衣の反物が家にあったので、浴衣を縫う練習用にもらったそうです。
文様の中に三升紋と呼ばれる文様が見えますが、これは初代市川団十郎が考案したもので、米を計る升の大・中・小三個を入れ子にして、上から見た形を図案にしたものです。
升の中に升が入れられていることから、やがてこの文様は升と益をかけて益々繁盛の意味を持つようになります。相撲で言えば「大入り」や「番付の上昇」にかけているのかもしれませんね。
それでは制作したご本人に登場していただきましょう。
続いて次の生徒さんの作品です。こちらも浴衣になります。
麻の葉の文様の浴衣です。麻の文様は麻が成長が早いことから子供の成長にかけて産着などにも用いますが、この文様を選んだ理由はお名前に「麻」の字がつくことから最初に仕立てる浴衣の柄としてこの文様を選んだそうです。
こちらも綺麗に仕上がっていますね。
こちらも作品も七夕浴衣ショーの時に生徒さん自身が仕立ててご披露しています。
それではこちらも制作したご本人に登場していただきましょう。
さて続いて三人目の生徒さんの作品です。こちらも初めて縫った浴衣です。
基礎練習をしっかりやっているので、1枚目でもちゃんと仕上がっていますね。
ちょっと裏も見てみましょう。針目にも真剣に縫った感じが表れています。
こちらは同じ生徒さんの最新作です。大人の単衣物が終わって、子供の単衣きものに入っています。
かわいい女児用の単衣ものですね。この作品は姪っ子さんにプレゼントするものだそうです。
きっと大喜びしてくれるでしょうね。
生徒さん達の作品を一年を追って撮影していると、どんどん上達しているのが手に取るように分かります。
1枚目よりは2枚目、2枚目よりは3枚目と縫うたびにどんどん上達し、丁寧な仕上がりになり、縫うスピードも速くなっています。
卒業までにもっともっと上手になってたくさん作品を仕立てて下さい。楽しみにしています!