今日はきもの技術科1年生の作品をご紹介いたします。
女物の浴衣が終わると、次のカリキュラムは男物の浴衣です。今回は現在男物の仕立てを習っているきもの技術科1年の生徒さんの作品をご紹介いたします。
まずは一人目の生徒さんの作品です。
目を引く文様は大衆演劇の役者さんである桜春之丞さんの浴衣だそうです。
江戸時代の役者さんや町奴は絵と文字を組み合わせた特定の柄を好んで使っていました。絵や文字を使い、それが表わす言葉や発音と同じ発音の別の意味を表現し、それを見た人に当てさせるようにしたものを「判(はん)じ物」と言い、江戸で大流行しました。
有名なのは市川團十郎も用いていた「かまわぬ」があります。「鎌」と「〇(輪)」とひらがなの「ぬ」で「構わぬ」を表しています。今でも手ぬぐいや浴衣に用いられる柄ですね。
さて作品に戻りましょう。一枚目よりは少し縫いなれてきましたね。
この浴衣は居敷当て(いしきあて)をつけて仕立てています。居敷当てとは単衣のきものや浴衣を着た時に力のかかる部分の縫い目が広がったり、裂けたり、膨らんだりするのを防ぐためにつける布のことです。表からは見えませんが、重要な役割を持っています。
それでは次の生徒さんの作品です。こちらは男物の上仕立ての浴衣です。お兄さん用に仕立てたそうです。
上仕立てとは裏から見ても縫い目が見えないようにしたり、透けても見苦しくないように布の重なりの厚い薄いがないように仕立てるなどの工夫をする仕立て方で、主に絹物の単衣に用いる仕立て方です。
初めての上仕立てとは思えない出来栄えですね。努力の跡が見受けられます。
それでは仕立てたご本人に登場していただきましょう。
きもの技術科ではこのように和裁の授業が中心となり、一年生で単衣、二年生で袷を中心とした和裁の実習を授業で行います。
和裁に興味のある方はぜひ本校で本格的な和裁を学んでみませんか。現在令和3年度のきもの芸術科、きもの技術科生徒募集中です。くわしくはこちらをご覧下さい。