新入生の生徒さん達が本校で学び始めて一か月が過ぎました。
1年生の生徒さん達は日々新しい技術を習得し、成長しています。
今日はきもの芸術科1年の生徒さんが手芸の時間に作った「刺し子」をご紹介いたします。
縫い目の揃ったきれいな作品ですね。こちらはきものにも用いられる「麻の葉文様」です。
布に糸で線を描くように刺繍をしていく刺し子は、日本に約500年前から伝わる伝統的な刺繍です。その技法は庶民が貴重な布を大切に使うために重ね合わせた布に補強や保湿、保温のために糸を刺し縫いしたものがはじまりと言われています。その発祥の地は定かではありませんが、現在でも秋田や青森などの東北地方に伝わる刺し子が広く知られています。
刺し子の技法は運針縫いという和裁の基本的な縫い方の一つなので、和裁の基礎練習で習った技術をそのまま使います。
通常は藍などで染めた布に白糸で模様を縫っていくのですが、今回の作品は白地の布に色糸を縫い付けて作っています。
こちらは連続する卍をデザイン化した「紗綾型文様」です。こちらもよく出来ていますね。
ちなみに麻の葉文様は子供の健やかな成長や魔除けを、紗綾型文様は不断長久(家の繁栄や長寿)を意味する縁起のいい文様です。
他の1年生の生徒さん達も刺し子の作品を制作中ですので、完成したらまたブログでご紹介したいと思います。