2月8日に新宿区にある寺院「正受院」で行われた伝統行事「針供養」に今年も本校の生徒さん達が参加しました。
「針供養」とは、和裁など針仕事をする人達が縫い仕事で折れてしまった針に感謝して供養するための儀式です。
ここ正受院では昭和32年から和裁業界が中心となって境内に針塚が建立され、今日のような儀式が行われるようになりました。
折れた針はこのように大きな豆腐やこんにゃくに刺します。
これは固い布を縫うために酷使されていた針を最後は柔らかいものに刺してその労をねぎらい、労(いたわ)りと感謝をこめて供養するという意味があります。
日本人ならではの優しさと物を大切に扱い、感謝するという気持ちを垣間見ることができますね。
針供養の儀式は甘酒を本堂と針塚にお供えする「甘酒献上」から始まり、集まった折れ針を土の中に埋めて供養する「納針の儀」、稚児行列を先頭に本尊である「奪衣婆(だつえば)尊」を小さくした像をお厨子に祀(まつ)り、装束を着た女の子がそれをかついでお寺を一周する「花見堂行列」、和裁を習う女性がお供えを持って行列に加わり、針塚に供える「百味香行列」、そして本堂での「大法要」という段取りになっています。
針供養が行われた当日は朝から好天に恵まれ、大勢の方が針を納めに院を訪れたり、1年に1度だけの行われるめずらしい儀式を見学したり撮影したりされていました。
ちなみに会場の正受院は幕末まで会津若松藩主の菩提樹であった由緒ある寺院です。
そして毎年この行事に本校の生徒さん達がお手伝いで参加しています。1年生は初めての行事参加ということもあり、ちょっと緊張していたようですが、2年生は2回目ということもあり、慣れた感じで参加していました。
これから花見堂行列が始まるところです。
この厨子の上に乗っている小さな像が「綿のおばあさん」の愛称で親しまれている奪衣婆の像です。
こちらは納針の儀の様子です。男性が来ている衣装は夜叉王の衣装を模倣して作られたものだそうです。
そしてこちらは本堂で行われた大法要の様子です。生徒さん達も神妙な面持ちで参加しています。
こちらは全ての行事が終わった時のショットです。ようやく緊張感から解放されたというところでしょうか。
儀式を手伝ってくれた生徒さんも、針供養に参加してくれた生徒さんも、このような行事に参加することでまた一つ和裁に対する気持ちが深まってくれればと思います。
生徒の皆さん寒い中お疲れ様でした。本校は来年もこの行事に参加の予定です。