12月1日(日)に外部からきものや日本の伝統文化に関するゲスト講師をお招きして開催する「冬期きもの大学」を開催いたしました。
今回のゲスト講師は落語家の柳家三語楼先生と、献上博多織の重要無形文化財技術保持者(人間国宝)の小川規三郎先生にお越しいただき、柳家三語楼先生には「噺家のきものと所作について」、小川先生には「博多帯のものづくり」というテーマで講義をしていただきました。
柳家三語楼先生
小川規三郎先生
午前の部の講師である柳家三語楼先生には噺家の身分制度や関東と関西の敬称の違い、手ぬぐいや扇子などの小道具、登場人物を演じる時の仕草など、落語に関するいろいろなしきたりや用語についてご説明いただきました。
講義の中では高座で着るきものや羽織、袴も実際に師匠がお持ちのものを展示していただいたり、着方を実演していただいたりしました。
また「三つ」「四つ」「三遊亭」「古今亭」など噺家や流派によって異なるきものや羽織のたたみ方を実演していただきましたが、そのような落語家の方独特のたたみ方が幾通りもあることを聞いた受講生の方々からは関心や驚きの声が上がっていました。
そしてお仲入り(休息)の後は落語「茶の湯」を一席披露していただきました。寄席の雰囲気をそのままホールに持ってきていただいたような軽妙洒脱な師匠の落語に皆大笑いし、なごやかな雰囲気の中で午前の部の講義は終了いたしました。
続いて午後は小川先生の講義です。
小川先生には博多の織物の歴史のみならず、博多の街の歴史や博多に由来する戦国武将の話、ご自身の織物に対する考え方や信念、職人としての生き方などについて丁寧にご講義いただきました。
また小川先生にはご自身が織られた博多帯もご持参いただき、講義終了後は受講生にも直接触れる機会をいただきました。
小川先生の作品
また小川先生には「古いものにとらわれ過ぎず、常に新しいことを考え続けること」「いろいろなことに関心を持つこと」「人間は一生勉強。日頃から学ぶ姿勢を忘れないこと」など、きものを学ぶ者にとって感銘できるお言葉も頂戴いたしました。
柳家三語楼先生、小川規三郎先生、貴重な内容のご講義をいただきありがとうございました。